第47号「文化の道」 移動牧畜の回廊

第47号「文化の道」 移動牧畜の回廊


                 

「移動牧畜の回廊」
Transhumance trails、Drailles de transhumance

2023年度に新設された「文化の道」です。
まずタイトルのTranshumanceを、
移動牧畜というような短絡的な訳語に押し込めて良いものかどうか迷います。

新石器時代から延々とつづく、季節ごとの放牧家畜群の大移動。
それにともなう牧夫とその家族、さらには放牧に関わる集団の移動には、
長大な時間空間的な経験と蓄積が織り込まれていると思われます。

トランスヒューマンスの実践は、
ヨーロッパ文化の構築に不可欠な基盤的役割を果たしてきました。

それは有形無形の多面的な遺産を生み出し、
何千年にもわたって自然と調和しながら
人間が細心の注意を払って維持してきた牧草地や牧草地の文化的景観を形作ってきました。

確立されたトランスフマンスルートのシステムは、
ヨーロッパを通り、ラテンアメリカ、北アフリカ、中東などの
より遠い地域にまで広がる
国境を越えたルートの相互接続されたネットワークを形成します。
このネットワークは、共通の歴史を共有するコミュニティ間の
文化的つながりを育みます。


移動牧畜の文化遺産
何千年も前にさかのぼるヨーロッパの放牧畜産の伝統は、
聖域、寺院、礼拝堂などの文化遺産を遺してきましたが
、もともとは古い神々へのオマージュとして建てられ、
その後、キリスト教の聖人を祝うために変容を遂げてきました。
信仰、宗教的シンボル、物語が織りなす無形の遺産も存在し、
芸術家、詩人、音楽家に芸術的作品の源泉ともなってきました。
さらには、乳製品生産を中心とした伝統的な美食や、
羊毛、皮、骨、角を用いた工芸品の発展にもつながっています。


今日に再現される「移動牧畜の回廊」の旅
これらの回廊を旅することによって、旅行者は時間をさかのぼり、
最初に足跡をたどった石器時代の遊牧民と一緒に
、トレイルを縦横無尽に往くことになるなるでしょう。
考古学的遺跡、小さな村、広大な風景が、
星座のように散りばめられたヨーロッパの遺産を照らし出します。
この旅は、星座のひとつひとつをつなぎ合わせながら、
文化遺産という星の物語をたどる歩みとなることでしょう。

参加国
アルバニヤ  Albanie

オーストリア  Autriche

スペイン  Espagne

フランス  France

ギリシャ  Grèce

イタリア  Italie

グアテマラ  Guatemala

メキシコ Mexique

ポルトガツ Portugal

ルーマニア Roumanie

スエーデン Suède



(欧州評議会「文化の道」オフィシャルサイトより)

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